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× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 4月にミラノで開かれた「東京ファイバー’09 SENSEWARE(センスウエア)」展が、18日から東京・六本木の21_21デザインサイトで開かれる。最新人工繊維の魅力と可能性を、17組のクリエーターや企業の作品で紹介。デザイナー・津村耕佑は高機能不織布で、柔らかさと固さを両立させた母子のための衣服を考案。27日まで。無料。 PR オートクチュール(高級注文服)にこそ新たな創造性を――。6日から3日間、フランスで開かれた09年秋冬パリ・オートクチュールコレクションは、ここ数年続いた汎用性のある無難なデザインから脱して、高度な伝統技を新たな表現に生かそうとする意欲的な試みが目立った。経済危機の高級品市場直撃による影響でショーの規模や観客の縮小傾向は加速したものの、手仕事の技を重視する若手デザイナーの参加は増加。世界的な知的財産としてのパリ・クチュールの価値を継承しようとの熱が感じられた。(編集委員・高橋牧子 写真・大原広和氏) 大会場でいつもスペクタクルな演出を展開してきたクリスチャン・ディオールが、今回は打って変わってこぢんまりしたショーを開いた。会場は、モンテーニュ通りのディオール店のサロン。往年の老舗(しにせ)メゾンの方式だが、作品の中身は過激だった。なにしろ服は半分しかなくて、あとは下着のままなのだから。 このブランド伝統のスミレ色やフクシャピンクの優雅なジャケットの下は、肌色のガードルとガーターベルトだけ。羽や細かいビーズ刺繍(ししゅう)で飾った美しいドレープのスカートも、上半身はありふれた肌色のブラジャー。グレース・ケリー王妃らかつての顧客をしのばせる華やかな50~60年代スタイルの服が、こんな毒のある着方や新しいカッティングによって全く違う鋭い表情を見せた。 デザイナーのジョン・ガリアーノは「ムッシュー・ディオールは華麗なニュールックで戦後ファッションの扉を開けた。大不況のいまこそ、エレガンスを再発見させる創造性が必要だ」と語った。 シャネルの「冒険」にもドキリとした。定番のツイードスーツや銀糸使いのボックスコート、布を複雑に巻いたイブニングドレスなどすべての服の背中から、ウエディングドレスの引き裾(すそ)のような長い布が垂れていたからだ。 「過剰にならない程度の視覚的な変化を目指した」と手がけたカール・ラガーフェルド。印象が強めの民族柄とスパンコールやラメのきらめきのバランスにも、伝統に新たな現代性を与えようとする意欲がうかがえた。 この1月にデザイナーが交代したヴァレンティノは、前回の正統派スタイルから一転。薄いレースやチュールを微妙に重ねたロマンチックな少女風スタイルで観客を驚かせた。腰のドレープに散らせた朝露のような玉刺繍、肩の手編みレースなど細部の手仕事は、触れると壊れてしまいそうなほどはかなく繊細だ。「今は変化の時代。型にはまらないことが最も大事」とデザイナーは語った。 一見シンプルだが、織り方が想像できないほど複雑な布で上品なスーツを仕立てたジョルジオ・アルマーニ・プリヴェや、ボールペンのキャップや壊れた自転車の反射板を使って華麗なジャケットを作って見せたメゾン・マルタン・マルジェラの作品にも、前に進もうとする明確な意識が感じられた。 「オートクチュール期間中の方がゆっくり見てもらえるから」と、10年ぶりにショーを行ったアレキサンドル・マチューや、アレクシス・マビーユなどプレタポルテのブランドの若々しい作りも新鮮に思えた。 そうした中で、経営難に陥ったクリスチャン・ラクロワのショーが印象的だった。会場や刺繍、靴などは無償の支援。在庫の生地で作った服は、ラクロワらしい夢と細工に満ちていた。フランスの国民的デザイナーだが、ブランドの買い手が現れない限り最後のショーになるとあって、観客は作品の1点ずつに惜しみない拍手を送った。 会場を提供した装飾美術館のオリビエ・サイヤー学芸員は「パリ・クチュールのぜいたくさはファッションにとってなくしてはならない灯だから」と語った。元スーパーモデルのイネス・ドゥ・ラ・フレサンジュは「モード界の人はみな、ひとごとじゃないと思ってる」と顔を曇らせた。 今回は招待デザイナーを含めて23ブランドが公式日程で新作を発表し、他に30近くのプレタポルテの若手やジュエリーの新作発表などが集中、プレタポルテのコレクションに負けない活気があった。パリ・クチュール協会のディディエ・グランバック会長は「ファストファッション人気の反動で高級な手仕事がまた注目され始め、市場はむしろ広がってきた。オートクチュールは、フランスというよりも世界の宝として再認識されつつある」と語った。 仮想から現実へ? 来年春夏のファッションは、この秋冬のトレンドだった80年代調に代わって多くのブランドが90年代スタイルを登場させた。90年代、派手さを避けたミニマルな表現は、バブル時代への反動といわれた。だがその後に起きたITや金融バブルが再びはじけた今、よみがえったそのスタイルはどんな意味をもっているのか。環境問題が深刻化する中で、新たな90年代調には、一見軽やかだが地に足がついた現実味が感じられることは確かだ。 90年代スタイルのポイントは、日常的に着られるリアルクローズということだった。過剰な装飾やボリュームを省いた無彩色でシンプルな色や形。伝統のエレガンスの文脈とは異なるストリートスタイルや下着、メンズ風、スポーツウエアなどがデザインの題材となった。 2010年春夏コレクションでも、装飾をそぎ落としたスーツやミニマルドレスが目立ち、その一方で穴あきのシャツや裾(すそ)がほつれたままのジャケットなど90年代前半に注目されたグランジルック、スリップやブラなどを取り入れたランジェリースタイルなどが一斉に復活した。 スタイルは同じでも、当時とはかなり異なる点は、90年代の様々な要素が自在にミックスされていることだ。それがデザイナー側の押し付けではなく、着る側の自由をも誘う提案に見えた。 もうひとつは、素材がソフトで極めて軽いこと。90年代は、80年代の保守的な高級志向へのアンチテーゼとして打ち出されたため、ストイックでどこか肩に力が入った印象だった。 しかし今回は、リラックスしていて色使いもロマンチックな淡いパステルカラーが中心だ。 今シーズン、多くのデザイナーが「セレブやショーの最前列の客ではなく、普通に生活する、自立的でかっこつけすぎない今の女性たちのために」などと語った。こうした変化の背景にあるのは、ファッションにおける女性像のとらえ方が変化したからなのだろう。 ネット配信などの同時中継に踏み切ったブランドが飛躍的に増え、多くの人が同時にショーを見られるようになったことも、この意識の変化を示しているように思える。 90年代スタイルは、米国を始めとする景気の回復とともに、形はシンプルなリアルクローズでもスーパーモデルしか似合わないほど細くなり過ぎて着られなくなったり、素材が豪華すぎるほどになったりして形骸(けいがい)化し、着る側の現実の女性たちへの配慮は希薄だった。だが10年春夏の変化は、現実の女性像や、それを取り巻く世界の現実への意識が90年代当時とは大きく違うことをあらわしている。 精神科医の香山リカさんは「90年代のバブル崩壊後は、いずれ元に戻るという見通しがあったが、今はもっと切実」と話し、「80年代調の外見が実態とそぐわないと気付いて、それを現実とちゃんとシンクロさせたくなってきたのでは」と分析している。(編集委員・高橋牧子 写真・大原広和氏) 東京ファッションといえば、毎回2万人もの若い女性が詰めかける「東京ガールズコレクション」が知られているが、会場の盛り上がりは引けをとらない。人気商品を割引価格で購入できたり、低価格でネイルアートを受けられたりするとあって、1時間半待ちの列ができたサロンもある。施術の様子はブースに設置されている画面に映し出され、来場者らは他の人の肩越しに、真剣なまなざしでプロの技術を見つめていた。アートやネイルケアに関する講座が次々開かれ、愛好家によるトークショーや無料体験コーナーもあって飽きさせない。 今回初の試みとして、乳がんの早期発見・早期診断・早期治療の重要さを伝える「ピンクリボン運動」のメッセージを伝えるブースを設置。ベッキーや大地真央ら著名人がプロデュースした、ピンクリボンやスマイルマークなどをあしらった華やかなネイルアートを一つずつ写真に撮る光景が見られた。 イベントの最後を締めくくったのは、2日間にわたり部門別に開かれていたネイリスト選手権の表彰式。ギリシャ神殿を模した「ネイルパンテオン」壇上から、各部門の上位入賞者が発表されると、会場全体から歓声が上がった。日本一のプロのネイリストを決める全日本ネイリスト選手権は、岩井智栄さん(25)=千葉県=が総合優勝、国内外のネイルコンテスト上位入賞者によって競われる世界ネイリスト選手権では井筒貴子さん(36)=東京都=が優勝した。 ジェルを固めて作る付けつめやダイヤ付き、3Dなど多彩に進化するネイルアート。主催した同協会によると、市場規模は年々拡大傾向にあり、2008年は約2000億円と推定している。 久々の明るい光。10月8日まで9日間の日程で開かれた10年春夏パリ・コレクションは、景気の底をいち早く見いだすような活力を見せた。ドラマチックなショー演出が復活、それを実況中継したりインターネット配信したりするブランドが目立った。作品は、シンプルで気取らない服を自由に組み合わせた、開放感のあるスタイルが中心。一部の顧客やプロのためだけではなく、世界中の人々に着やすくてなるべく買いやすい服を発信したい、そんな姿勢が感じ取れた。高級ファッション産業界も、大きな変革期を迎えている。 「今回は、多くのブランドがショーの意味とファッションの役割を再考した特別のシーズンだった」と、パリ・コレを主催する協会のディディエ・グランバック会長は語った。その言葉通り、どきりとするような趣向や新しいスタイルが目立った。 アレキサンダー・マックイーンのショーは、2台のクレーン式カメラによる実況と有名写真家が編集した映像を映す舞台上の巨大スクリーンを背景に繰り広げられた。映像はウェブで同時放映も。 作品も劇的。ミニドレスは、コブラや蛾(が)、カマキリなどの写実的な柄が丸みのあるフォルムの上をはい回り、貝やエイを思わせるフリルのうねりも。靴はまるでアルマジロ。一見グロテスクだが細部まで作り込んだ造形と美しい映像は、生物の進化を示す哲学的な物語のよう。「もっと多くの人々に僕の世界観を知ってもらうために、ネット上でより映えるやり方を考えた」とマックイーン。 ネット放映はネット販売拡大への道も開く。 ルイ・ヴィトンも初めてネットで生中継。ぜいたくなお出かけ風から一転、街をふらつく少年のようなカジュアルなスタイルを並べた。アフロヘアにずた袋風の大きな肩掛けバッグ、ミニドレスにはブルマーや短パン、パーカの重ね着。ビニールやデニム、ニットなどの複雑な接ぎ合わせや、スポーツやランジェリーなど様々な要素の奔放な組み合わせが楽しい。デザイナーのマーク・ジェイコブスは「テーマはニューエージ・トラベラーズ(新世代の旅人)。彼らにはすべての要素がみな同等で自由なんです」と語った。 シャネルは、ファンタジックな舞台演出で甘い少女スタイル。ベルサイユ宮殿の離宮トリアノンにあったような小屋を舞台に再現、その周りを、花カゴを手にしたモデルたちが楽しげに練り歩いた。素朴な手編みニットのドレス、ふくらんだバルーンスカートが可愛らしい。 90年代風のミニマリズム調が復活。シンプルさを生かしながら、当時より軽やかな女っぽさが強調された。人気デザイナー、フィービー・フィロが復帰後初めて手がけたセリーヌが筆頭格。肩の力が抜けたシンプルドレスのステラ・マッカートニー、無地の布の流れだけで圧巻の美をみせたハイダー・アッカーマンも光った。ランバンはシンプルさと装飾性の二極で職人技を披露した。 飾りを省いてテーラードスーツを突き詰めたジュンヤ・ワタナベ、コムデギャルソンとタオ・コムデギャルソンの3ブランドは、パリ・コレの中でも抜群に質の高い独創性を見せつけた。 新進では、洗いざらした革製などのシンプルな服を初の展示会で見せたブルゾン・ノワールが目に付いた。デザイナーがいう「細部は凝っていてクールだけれど、頑張らなくても着られる」という服が、今まさに求められているのだろう。 経営難からパリ・コレ後に民事再生法の適用を申請したヨウジヤマモトは、センチメンタル・ジャーニーやケ・セラ・セラなどの曲を流しながら、ボディコンのスーツやぼろぼろのグランジドレスを見せた。開き直ったかのような悪女風だが、卓抜したカッティングが生む独特の優雅さは誰にもまねはできない。舞台裏で山本耀司は「古くて有名な、成功したイイ女は僕から去ってしまったからね」とおどけてみせた。 経営と創造性の両立、シンプルの中に際立つプロの技、古くささと新しさ。次代を開く様々なシーンが明確に映し出されたシーズンだった。(編集委員・高橋牧子 写真はすべて大原広和氏撮影) |
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