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 転覆したキンメダイ漁船「第1幸福丸」(8人乗り、19トン)の乗組員で、31日に伊豆諸島・八丈島(東京都八丈町)の町立八丈病院を退院した宇都宮森義さん(57)=静岡県下田市▽早川雅雄さん(38)=大阪市平野区▽鳰原(にゅうばら)貴光さん(33)=静岡市駿河区=の3人が午後、下田市の伊豆漁協で記者会見した。3人はやや緊張した表情ながら、しっかりした足取りで会見場に入った。

 冒頭、同席した伊豆漁協の藤井多喜男組合長(56)が3人から聞いた遭難から救出までの概要を説明した。

 「鳰原さんの時計で確認したが、転覆は24日午後8時14分。当時は(7人)全員が寝ていた。3人は寝室の床板を外し、シャフトと床板の間にいた。転覆の時は死刑宣告された気分だったという。何日かすると、冷蔵庫でふさがれていた入り口が開き、下から光が差したという」と説明した。

 救助を待っている時の心境について、早川さんは「半信半疑。半分はあきらめていた」と話し、鳰原さんは「どういう死に方をするのかなあ、と考えていた。いつ息が吸えなくなるのか」と言葉を詰まらせた。

 また、船内の様子について、早川さんは「ずーっと揺れっぱなしで横になっていた。鳰原さんが泳いで出ようとしたので止めた。泳いで出られるような状況ではなかった」と振り返った。鳰原さんは「自分は経験が浅い。暗闇から抜け出たかった。出たら助かるのかなって……」と話した。

 第1幸福丸は20日に下田港を出港。帰途についた24日、八丈島沖で連絡が途絶えた。台風20号の接近で一時は捜索が中断するなど生存が危ぶまれたが28日午後、転覆した船内から3人は救助された。真っ暗な後部船室に閉じ込められ、水もほとんど飲まずに4日間をしのいだ。「頑張ろう」と励まし合って耐え抜いたという。一方、救命いかだに乗っていた船長の牧山新吾さん(40)は死亡が確認され、残る4人は依然行方不明になっている。【山田毅、田口雅士、平林由梨】
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