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「ポップの帝王」マイケル・ジャクソンさんが6月に急死し、幻となったロンドン公演。そのリハーサルの様子などを映画化した「THIS IS IT」が28日から2週間限定で世界同時公開される。監督は、ジャクソンさんと20年以上の付き合いがあり、ロンドン公演の演出も務めたケニー・オルテガさん。復活にかける天才アーティストの姿や突然の悲劇などについて聞いた。

 ――12年ぶりとなる本格的な公演が50回も予定され、しかもチケットは瞬く間に完売しました。改めて人気のすごさに驚きました。

 「私も驚いた。私は『50回が売り切れだ。驚いたか?』と尋ねたが、マイケルは『全然。僕のファンはすごいんだ』とちっとも驚いてなかった。彼は、世界中のファンは自分を見捨てない、と確信していたようだ」

 ――しかし、健康面で懸念はありませんでしたか。

 「やせていたから『もっと食べて。睡眠もとって。水もしっかりと飲んで。体を気遣うことは大切だ』と何度も言い聞かせた。マイケルは『心配ない。すべて快調だ。僕はできる。何も怖くない』と答えた。信じるしかなかった」

 ――映画では、公演で予定された約30曲分のリハーサルなどの映像が使われています。ジャクソンさんはどんな世界をつくろうとしたのでしょう。

 「ショーの中のショーをつくろうとした。人々の度肝を抜き、愉快にし、興奮させ、しかも挑発する。人間として地球への責任を負っていることを意識させる。とても壮大なコンセプトだ。マイケルは『コンサートの後、家に帰っても眠れず、一晩中、語り合ってしまうようなショーにしよう』と話していた」

 ――しかし、突然の死によって幻に終わりました。

 「信じられなかった。拒絶。苦痛。恐れ。家族の身を案じ、世界を案じた。想像を超える苦しさだった」

 ――公演は中止になり、映画製作の依頼が来ました。

 「最初は、できないと思った。心の痛みが大きかった。でも、だんだん心境が変わった。ゆっくりと自然に集まってくるように、世界中のファンやマイケルの家族、コンサートをつくっていたチーム、みんなが助け合い、前向きになり、悲しみの底からはい上がろうとした。失ったものは大きかったが、(映画製作を)やろうと思った」

 ――マイケル・ジャクソンとは何だったのでしょう。

 「マイケルは、この星を駆けまわった天使だった」(ロンドン=土佐茂生)

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